iOS14でWeb広告に及ぼす影響を調べてみるの巻
月末だけじゃない!神出鬼没のサンデーです!
はてさて、今回はWeb広告界隈が昨年頃からざわついているiOS14について、自分の理解を深めるべく調べてみたので備忘録も兼ねてここに記して行こうかなと思っております。はい。
※2021年5月14日のデータ
iOS14とは
そもそも、iOS14って何さ?ってお話ですが、こちらはApple製パソコンのMacやiPhoneなどに入っているOS(オペレーティング・システム)のことなのです。後ろについてる14はシリアル番号的なものになります。iOS以外のOSとしてはWindowsやLinux、Chrome OSなどがあります。
このiOS14は2020年9月16日にリリースされており新機能の搭載やらアプリのバージョンアップやらなどユーザビリティの向上やらがされているわけですが、この色々有る中のITPやIDFAに関するアップデートがWeb広告に影響が出てくる部分になるのです。
ITPとは何か
ITPって何さ?ITPとは【Intelligent Tracking Prevention】の略でプライバシーの保護を目的としたSafariブラウザに実装されたトラッキングを制限する機能ことです。
ITP1.0(2017年9月)ではサードパーティCookieの情報保存期間を24時間に制限し時間が経過すると自動的に削除されます。
また、ITP2.0(2018年9月)ではサードパーティCookieだけではなくファーストパーティCookie(JavaScript)も削除の対象になりました。
Cookieを制限することによりサイトをまたいだトラッキングが大きく制限されることになります。
IDFAとはなにか
そうなってくると次の疑問として出てくるのは「IDFA」とはなんぞや?と言う話し。
こちらは【Identifier for Advertisers】の略したもので、iOS6.0以降の端末に導入された端末個々に割り振られる広告識別子のことを指しております。
IDFA以前に導入されていたUDIDではIDをユーザーが変更することはできませんでしたがIDFAではユーザーが任意でリセットをすることができます。
■IDFAは何に使うの?
この広告識別子を利用してユーザー行動をトラッキングし、それの情報をもとに広告を配信しておりました。こちらの識別子の情報にはメールアドレスやユーザー名などの個人を特定するような情報は含まれておりません。
iOS14の影響を考える
さて、ではこのITPやIDFAがiOS14になったことでどういった影響が出てくるのでしょうか?ITPに関しては以前から導入されていたものになりますし、IDFAも以前から識別子はリセットすることができるので大きな影響は無い気がしますが実際はどうなのでしょうか。
■ITPからの影響?
今回のiOS14のアップデートで大きく変わった部分としては、今まではアップル製ブラウザのSafariのみでにしか機能していなかったITPがChromeやFireFoxといったサードパーティ制ブラウザやアプリにも影響を及ぼすようになったということです。
iPhoneでのSafari利用者は多いもののMacなどではSafari以外にもChromeやFireFoxを利用している人も多く影響はまだ限定的でしたが、今回のiOS14では全てのブラウザがこのITPの対象になりました。また、ブラウザのみでは無く、アプリもその対象になっているた為、サイトやブラウザ、アプリをまたいだ計測ができずセッションが切れてしまうことから今まで以上にリターゲティング広告の精度が低下するとことが予測されます。
■IDFAから影響は?
IDFA自体は以前から導入されているものでしたが、今までは殆どのユーザーが意識しておらずデフォルトでトラッキングすることができておりましたが今回のiOS14からIDFAの取得にはユーザー許諾が必須となりました。
オプトインで許諾されれば基本的には今まで通りの計測は可能になりますが、拒否するユーザーも一定量いると予想されるます。これによりユーザー情報の蓄積ができないことからこのことからターゲティング広告の精度が低下することが予測されます。
各媒体への影響は?
今回のiOS14の影響は私達広告を運用する側にも当然影響は出てきますが当然媒体側にも影響は出てきます。
googleの対応
googleでは、2022年を目処にサードパーティCookieのサポートを終了すると発表しております。また、独自にFLoCと言う連動学習機能をサードパーティCookieの代替手段として開発中のようです。
FLoCとは【Federated Learning of Cohorts】の略で、同じ興味関心を持ったユーザーのグループを作成しそのグループのIDをもとに広告の最適化を行う技術で、2021年3月頃からChromeブラウザでテストが開始されているとのことです。
今までは1ユーザーのデータをもとにターゲティングを行っていたことからプライバシー問題となっていたものをFLoCでは個ではなくグループになっているのでプライバシーは問題にならないよね?みんな導入しようね!といった形で他のブラウザにも導入を進めているようですが、Safariはもちろん、FireFox、オペラ、Edgeといったブラウザは今の所導入の予定は無いようです。
Facebookの対応
FacebookはFacebookとInstagramの2つのプラットフォームを軸にIDFAを活用し広告配信を行っております。この対策としてFacebook側でも昨年末よりコンバージョンイベントの最適化のためにドメイン認証やパフォーマンス測定の為にSDKのバージョンアップ等を行うよう広告主にアナウンスを行っております。
iOS14への対応の影響で最適化ポイントの数がドメインで最大8までや、アプリ広告のキャンペーンは最大5までなど広告配信に制限が出ております。
まとめ
まだまだ情報が少ないですが、現状はこんな感じです。
google広告はリマーケティングも大切ですがリスティング広告やYoutube広告、など幅広い配信方法が有り、ターゲット設定もリマケ以外にも類似ターゲットやデモグラなど幅広い設定ができる!
Facebookに関して言えば、制限内容を把握できさえすれば対応方法はいくらでも有りそう、フェイスブック広告はリターゲティングよりも類似ユーザーを使うことで効率的な広告配信ができるのでしっかりとした最適化ポイントを見極めれば大きく影響は無く広告配信は続けていけそうです!
とりあえず、各媒体が出している対応手段をすべてやり、あとはマーケターの腕の見せ所と言う感じですかね。
それでは今回はこのへんで!
以上になります。