個別事例から見る「Web3.0」という時代(前半)

目次

こんにちは、フロントエンドエンジニアの根岸です。
当記事はタイトルの通り「Web3.0」というこれからやってくる時代について、実際の事例を基に、どのようなサービスが生まれてくるのかをご紹介したいと思います。
(なお、全体として少々長い記事になりそうだったので、前半と後半の2つの記事に分けさせていただきました)

今回は「そもそもWeb3.0なんて聞いたことが無い」であったり、「なんかよくNFTとか聞くようになったけど、実際に何がどうなるのか分からない」という方を対象にしています。

そのため、以下のような、事前知識がある程度必要となる内容については記載しません。

  • ブロックチェーンの技術的な内容
  • Web3.0の技術的、またビジネス展開上の課題

とはいえ、Web3.0を語る上では必要不可欠な事前知識については、簡単に触れていきたいと思いますが、できるだけわかりやすくなるように心がけていきます。

本文に入る前に、この記事の内容について、あらかじめ記載します。


1.「Web3.0」とは何か

  • 「Web1.0」「Web2.0」との比較
    2.「Web3.0」を知る上で不可欠な知識
  • ブロックチェーン
  • NFT
    3.「Web3.0」時代の個別事例


    (この前半の記事では、チャプター1.「Web3.0」とは何か を記述し、その後のチャプター2.チャプター3は後半の記事に記述したいと思います)

    チャプター1とチャプター2については、チャプター3で「何を言っているかさっぱりわからない」とならないための、あくまで補助的な内容であり、それぞれについて詳しく触れることはしません。
    記事の末尾に、参考になりそうな記事や書籍についていくつかご紹介しますので、もし興味がある方がいれば是非そちらをご参照ください。

それでは、実際に内容に入っていきたいと思います。

1.「Web3.0」とは何か

「Web3.0」と謳うからには、もちろん「Web1.0」や「Web2.0」という時代が存在しています。
それぞれの特徴をまとめると、主に以下の様になるでしょう。
https://tech.pla-cole.co/wp-content/uploads/2021/12/スクリーンショット-2021-12-26-23.05.34.png

表でぱっと見ただけではイメージが湧きづらいかもしれないので、文章でも少し比較したいと思います。

※以下で用いる「ユーザー」という言葉は、一般消費者のことを指します。

Web1.0
「Web1.0」という時代に、ユーザーがWeb上で目にできたコンテンツは、主に企業や有名人のホームページが多く、静的コンテンツが主流でした。
Web上で巨大な力を持った企業は台頭しておらず、各コンテンツ制作者は自分(たち)の作りたいものを作り、それが分散的にそれぞれの制作者によって管理されているような時代でした。
私達はWeb上で配信されているコンテンツを見ることのみができ、そのコンテンツに対してWeb上でリアクションをとる(コメントや口コミ投稿など)ことはほとんどできませんでした。(=コンテンツ提供者からユーザーへの一方向コミュニケーション)

Web2.0
現代はWeb2.0の時代と言われています。コンテンツを見ることしかできなかったWeb1.0とは異なり、現代は私達自身が配信されているコンテンツに対して、リアクションをとることができます。また、SNSの発達により、ユーザー同士、また企業とユーザーが活発にコミュニケーションをとることができるようになりました。(=コンテンツ提供者とユーザーの双方向コミュニケーション)
のみならず、YouTubeやInstagramに代表されるように、「インフルエンサー」という概念が生まれ、提供するコンテンツによって、ユーザー自身がコンテンツを通して有名になることが叶っています。
ただここで留意したい課題・問題としては、こうしたユーザーの活動はYouTube等のプラットフォームに依存したものであり、プラットフォームの方針転換によって、簡単に無くなってしまうものであるという点です。
また他にも、現代はGAFAに代表される巨大テック企業が大量の個人情報を資産化し、ビジネスに利用している、という問題もあります。(ユーザーは、自身の貴重な資産である個人情報を、こうした巨大テック企業にその利用方法も不透明なままに提供しています)

Web3.0
Web1.0、Web2.0も同様ですが、明確な定義が現在あるわけではありません。ただ一般的には、「ユーザーが自身のデータを所有することができるようになる」「データをプラットフォームに提供して管理されるのではなく、ユーザー自身が分散的に個人のデータを管理するようになる」、そして「データが価値を持ち、個人の資産にすることができる」等といった特徴があります。
Web1.0の時代の特徴の一つでもあった「分散管理」というものや、Web2.0の特徴の一つでもあった「双方向コミュニケーション」を合わせ持ったイメージ、という見方もあります。
これらは後述するブロックチェーンによって実現されるものです。
「データを所有することができる」とは何か、「分散的にデータを管理する」とは何かというのは、ブロックチェーンの説明の際に、簡単に触れていきたいと思います。
(現代のWeb2.0時代の課題に対する解決策を提供し得る、とも言えるでしょう。逆に言えば現在私たちは、「データを所有することができていない」「分散的でなく、中央集権的に一つの企業などがデータを管理する」「データには価値がない、個人の資産とはならない」時代」にいるということですね)

本来であれば(より厳密に説明すれば)、Web1.0、Web2.0、Web3.0のそれぞれだけで、1万字以上は必要になってくるくらい書くべきことは多いかもしれませんが、それについてはもっと参考になるような記事や書籍がありますので、後半の最後に記述する、参考記事などの部分を興味があれば見ていただければと思います。


前述の通り、この前半の記事については以上にとどめ、チャプター2の「Web3.0」を知る上で不可欠な知識とチャプター3の「Web3.0」時代の個別事例については、後半の記事に書いていきたいと思います。
(来月公開予定です)
もし興味がある方は、そちらも合わせてご覧いただければ幸いです。