個別事例から見る「Web3.0」という時代(後半)

目次

こんにちは。
フロントエンドエンジニアの根岸です。

今回の記事では、以前書いた記事「個別事例から見る「Web3.0」という時代(前半)」の続きとして、実際の事例を紹介していきたいと思います。

以前の記事はこちら↓https://tech.pla-cole.co/%e5%80%8b%e5%88%a5%e4%ba%8b%e4%be%8b%e3%81%8b%e3%82%89%e8%a6%8b%e3%82%8b%e3%80%8cweb3-0%e3%80%8d%e3%81%a8%e3%81%84%e3%81%86%e6%99%82%e4%bb%a3%ef%bc%88%e5%89%8d%e5%8d%8a%ef%bc%89/

2021年(去年)は特にこの「Web3.0」を感じさせるようなニュースが多かった一年でした。
そしてこの2022年、またその後も、(もしかしたら2000年代初頭に弾けたインターネットバブルと同じ道を一度辿る可能性もありますが)ブロックチェーンを中心に据えたメインストリームである「Web3.0」は加速していくでしょう。

(補足:ちなみに「Web3.0」という概念を提唱し始めたのは、Ethereum共同創設者でありPolkadotの生みの親でもあるGavin Wood氏です。2014年からこの言葉が生まれ始めたとのことです。すごい)

さて、それでは実際に、Web3.0関連でどのような事例があるのか、以下に紹介していきたいと思います。


Jack Dorsey氏、自身の初TweetのNFTを約3億円で売却

https://jp.techcrunch.com/2021/03/23/valuables-tweet-marketplace/

2021年の初めに発表されたこちらのニュースが、「NFT」というワードが浸透し始めるきっかけとなったと言っても過言ではないでしょう。
Jack Dorsey氏は、ご存知の方もいるかもしれませんが、Twitterの共同創設者であり、同社の元CEOの方です。
(現在は以前から兼任していた決済サービスプラットフォームの「Block」社(元はSquare)のCEOとして、ブロックチェーンを取り入れたサービスを展開しようとしていますね)
その方が自身の初Tweetをオークションで競売にかけた結果、3億円という価値で競り落とされました。

金額的な理由も大きく、このニュースをきっかけに、「NFTって何だろう?」といった方も増えてきたのではないかと思います。
もちろん、このような驚くべき高値がついた理由としては、「TwitterというWeb2.0時代を象徴するSNS」「そのSNSの共同創設者かつCEOのツイート」「その人の初ツイート」といったストーリー性(SNSという歴史の一種のマイルストーン)に基づいた希少性によるものが大きいので、どのようなNFTであっても、このような価値がつくと考えるべきではありません。
ただ、ストーリー性のあるデジタルアートなどが、実際にこのような巨額の価値を持つと考えられるのは、今後も事例としてあげられていくでしょう。

もしかしたら、近い将来に、メタバース上で展開されるデジタルアセットの美術館の中で、レオナルド・ダ・ヴィンチが描いたモナリザのアートNFTと並び、Twitterを創り上げたJack Dorseyの初ツイートが並ぶ日も訪れるかもしれませんね。

NIKEがメタバース空間に参入

https://www.fashionsnap.com/article/2021-11-25/nikeland-roblox/

旧Facebook社がMeta社に改名して以来、数ヶ月が経ちました。
新たな長期戦略として、SNS企業からメタバース企業へと変貌を遂げていくという決意を新たにした、またその決意を世界的に表明したマーク・ザッカーバーグ率いるMeta社により、「メタバース」という言葉が大衆に認知されることになったのは記憶に新しいでしょう。

現実世界にいる自分が、VRゴーグルを装着し、何度かボタンを押すと、自分の視界の前には仮想現実が広がり、そのバーチャル空間上では現実世界と同じ、もしくはそれ以上の体験として、世界中の人とコミュニケーションでき、お気に入りの服を身にまとい、お気に入りのショッピングモールへ買い物に行く。。。
そうした体験は、全く新しいものであり、魅力に感じる人も多いでしょう。

そうした仮想現実である「メタバース」も、Meta社の発表によって一気に大衆への認知が加速されましたが、その発表後は特に、「メタバース」という言葉がちりばめられたニュースも多くなりました。

その中の一つとして今回ご紹介するのが、スポーツ関連を中心としたアパレルブランドとして世界的に有名なNIKE社が、独自のメタバース空間を開設した、というニュースです。

こちらは、ロブロックス(Roblox)というオンラインゲームのプラットフォーム上に、NIKE独自の空間を開設したものです。
このRoblox上では、ユーザー自身によってゲームの作成や、他のプレイヤーが作成したゲームをプレイできるのですが、このNIKEが作成したNIKELANDという空間上では、NIKEが作成したゲームをプレイすることができます。
また、同空間上のデジタルショールームでは、Roblox上で自身のアバターが装着できる、「エア フォース1」などのアイテムが用意されており、NIKEファンにとっては非常に楽しめる空間が提供されています。

https://hypebeast.com/jp/2021/12/nike-acquires-rtfkt-sneakers-nfts-digital-collectibles
またNIKEのメタバース関連のニュースとしては、上記のURLから閲覧できる通り、2021年12月にNFTファッションブランドであるRTFKT(アーティファクト)を買収した、というものがあります。
https://www.instagram.com/reel/CXb-yDcJUeY/?utm_source=ig_embed&ig_rid=ff312350-f75b-443f-a4cd-c6aaff71dbce
こちらのInstagramのムービーからも、スマホのボタンを押すと、アバターのファッションが大きく変わるのが確認できますね。
こちらも合わせて、NIKEが今後メタバース空間上に大きく進出していくという決意の表れと言えるのではないでしょうか。


今回は2つの事例のみを紹介するにとどめましたが、今後さらに、スタートアップ企業のみではなく、誰もが知るようなグローバル企業や大手企業がWeb3.0の世界に進出していくことが予想されます。
世界がどのように変わっていくかはまだまだ不明なことが多いですが、自分たちは今、インターネットがもたらした革命以来の、大きな時代の波の中に身をおいている、という認識は持っておいた方がよいかもしれませんね。